2007年3月18日日曜日

以下は人間用のサイトまえだ循環器内科から引用したものですが、とても分かりやすいかと思います。
つまり、甲状腺機能亢進症は花粉症と同じ「自己免疫疾患」である、ということですね。



甲状腺機能亢進症は甲状腺から甲状腺ホルモンがたくさん出過ぎるため、全身の細胞の新陳代謝が異常に高まる病気です。 正常では、甲状腺ホルモンの量は脳下垂体という脳の一部からでる甲状腺刺激ホルモン(TSH)という別のホルモンの量で調整され、甲状腺ホルモンが適度な量になるようにコントロールされています。

つまり、甲状腺のホルモンが不足と判断されれば、甲状腺刺激ホルモンが血液にたくさんでて(TSH増加)甲状腺へ達し、「甲状腺ホルモンをもっとたくさん製造しなさい」と甲状腺への命令を出します。 逆に、甲状腺ホルモンが多すぎると判断されれば、血液中に放出される甲状腺刺激ホルモンが減少し(TSH減少)、「甲状腺ホルモンの製造をゆっくりしなさい」と甲状腺への命令を出します。   しかし、ここで偽りの「もっと製造しなさい」との偽の命令書がでるとどうなるでしょう。 甲状腺から過剰のホルモンが造り続けられることになります。 この「偽の命令書」の働きをするのが、甲状腺受容体抗体(TBII, TRAb)という病的なタンパクです。  

ほとんどの甲状腺機能亢進症は、甲状腺細胞の表面にある甲状腺ホルモン受容体という部分に対する抗体(甲状腺受容体抗体)というものができることによって起こる「自己免疫疾患(※注)」であることがわかっています。 そして、この病気の発見者の名前から「バセドウ氏病」と言われています。

(※注):自己免疫疾患とは: 本来、免疫は外部からきたウイルスや細菌などの異物や老朽化や傷んだ細胞を、「自分ではないもの(非自己)」として、認識して攻撃、処理します。 これにより、我々の身体は「正常な細胞の集まりとしての生命」が維持できるのです。 ところが、正常な細胞や身体の一部を、「非自己」と誤認して、これを攻撃するためにおこる病気のグループがあります。 これを「自己免疫疾患」と呼びます。